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きっかけ
この子育て応援券は、もともと区の新しい子育て支援事業として生まれたものです。
平成17年、区は、今後10年に渡る子育て支援のビジョンを打ち出す「杉並区子ども子育て行動計画」の策定をしていました。
近隣の区では乳幼児の医療費の無料化の検討に入っていましたが、杉並区ではそのような個々の家庭支援だけでなく、
「地域ぐるみの子育て支援になるような、もっと思い切ったことができるんじゃないだろうか?
行動計画の重点事業を何か打ち出そう!」と考えました。
「合計特殊出生率を見ても、杉並区は都内でも下から数えたほうが早い。
出生率だけがすべてではないが、子育て中の家族も安心して住んでもらうための子育て支援の目玉として、
ぜひ子育て応援券をやりましょう!!」と子育て支援課は提案したのでした。
プロセス
そして、区内の子育て支援団体リーダーや子育て当事者のお母さん、制度や児童福祉に詳しい専門家などから構成する
「子育て応援券検討会」がスタート。
「いくら少子化で子育てに負担感を感じている家庭が増えていると言っても、使うのはみんなの税金。
サービスは多くて範囲は広ければ広いほど、親たちはうれしいのはわかるけれど、公的な支援はどこまでが許容範囲なんだろう?」
「この事業の目的はなんだろう? どうなったら、成果が出たと評価できるんだろう?」 毎回、熱い議論が繰り返されました。
そしてできた「杉並子育て応援券」の目的と効果
目的
☆子育ての不安感や負担感を解消し、親の子育て力を高める
☆子育てを応援するまちをつくり、地域の子育て力を高める
事業を導入することによって期待される効果
<親の子育て力を高める>
☆子育て家庭がサービスを選択して利用できる
☆子育て家庭向けのサービスが周知され、利用が進む
☆子育て支援グループ、事業者などによる働きかけの機会が増える
☆子どもの育ちの支援につながる
<地域の子育て力を高める>
☆事業者の競い合いやNPO活動の促進などにより、子育てを応援する地域づくりが進む
☆育成された人材の活用や、親自身が子育て支援者として地域に参加することにより、協働による区民主体の
子育て活動が広がる さらに・・・
制度づくりにあたり基本にしたこと
◎すべての区民にとって「公平」なもの
◎利用者にわかりやすい「簡素」なもの
そして、ようやく完成・・・・
杉並子育て応援券担当者に聞く「子育て応援券に対する熱い思い」
(お話:杉並区子育て支援課・子育て応援券担当 山本佳子さん)
地域と一緒になって
私はこの子育て応援券を生み出すこととなった「杉並区子ども・子育て行動計画」の策定のときから
区の子育て支援事業に関わってきました。
杉並に暮らすすべての子どもたちが、このまちで育ってよかったと思え、誰もが杉並で子育てしてよかったと
実感できるまち、そんな地域づくりを、区だけでなく、区と地域のみなさんと一緒につくっていきたい。
そのきっかけになることを願い、この子育て応援券の導入に取り組んできました。
まずはサービスから
子育て応援券の利用できるサービスを、オムツやミルク、絵本などの物品にまで広げるか、
外部委員も入った検討会で再三議論を重ねました。
そして今回は「地域の子育て支援サービスの質と量を高めるようなものをまず導入していこう」ということになりました。
実際に子育て支援サービスは利用しようと思っても、だれもが利用できるサービスのメニューが現状では少ないんですよね。
そこで、まずは地域の子育てサービスを増やしたい。
サービスを増やして、子育てしている人たちが、地域のいろいろな人と関わることで、
安心して、ゆとりをもって子育てできるようになってほしい。
そんな思いをこめて、子育て支援のサービスに限定して利用できるようにしました。
* * *
また、杉並区には子育て支援の活動をしている市民団体も多いし、子育て経験を生かしながら仲間たちと
何か始めてみたいと考えているお母さんもいらっしゃいます。
そうした方たちの活動を知っていただくきっかけにも、この子育て応援券はなると思います。
また、企業などもサービスの提供者として登録いただいていますから、切磋琢磨して質が高まっていくのではと期待しています。
実際に団体登録を始めてみてサービスを提供する事業者の登録は、まずは企業の方たちが早々に登録してくださいました。
関心を持っていただき、様々な企画を提案していただいたのは、本当にありがたいことでした。
そして、最近は、利用される方から「私が今利用しているこのサービス、応援券の対象になりませんか?」
といった声をきっかけに、事業者が増えています。
こんなふうに、私たち行政が知らなかった、地域での様々な活動の情報が、
この子育て応援券を始めることで集まりつつあります。
応援券のサービスが集まるかどうかが一番心配でしたが、予想以上の地域の皆様の反応に喜んでいます。
最後に・・・・
この応援券は、利用される子育て中の皆さん、そしてサービスを提供してくれる事業者と、
区が一緒に作りあげていくものになったらいいなあと思っています。
だから、サービスを提供してくださる皆さんには「親子が元気になる、いいサービスを提供してくださいね」とお願いしているし、
子育て中の皆さんには「まずは試しにいろいろなサービスを使ってみて」とお願いしたいのです。
この応援券を使っていただいた方からの声が、今求められているのです。
そんな風に、皆さんの力で子育て応援券はどんどん良くなっていきます。
検討会でも、実際に制度が始まってからの評価・見直しが大切なので、
「(仮称)杉並子育て応援券推進委員会」を立ち上げることとしています。
この応援券事業が、よりよい事業となるよう、皆様のご意見をぜひお寄せください。お待ちしています。
検討会会長 西郷泰之先生(大正大学教授)のお話
検討を繰り返した応援券がいよいよスタートということで、感無量です。
送り出す立場の人間としては、「いい子」に育って欲しいですね(笑)。
この応援券は、親への「応援」であると同時に、地域への「応援」でもあるんですよね。
「ちょっとどうかな?」というようなサービスが淘汰され、できればいいサービスが残っていってほしいと思っています。
それは、子育て中のみなさん自身の選択にかかってくるわけです。
公的なお金を使っているわけですから、「何でもOK」というわけではない。
「これは自費で自腹でやります」というものだってあるでしょう。
また、限度額は設けてありますが、利用しようと思えば、毎日毎日一時保育などに利用することも可能です。
それは子どもにとってどうなんだろう? ネグレクトを社会的に容認することにつながりはしないか・・・そんな心配もしています。
「どんな使い方がいいんだろう?」ということを、利用しながらもみんなで考えていけたらいいなと思っています。
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